ストレスを感じやすい考え方のクセ

ストレスって、そもそも何なの?

ストレスとは、外部からの様々なストレッサーという、心理的、感情的、環境的、物理的な物による負荷や刺激により引き起こされます。ストレッサーを感じると、正常な状態にある精神に歪みが生じます。本来は元の正常な状態に戻る力を持っており、歪みはしばらく時間が経過するなどあれば、解消されます。

ただ、ストレッサーが大きすぎたり、頻回すぎると、元の状態に戻らずに歪んだままになってしまうことがあるのです。

ストレスに弱い人という言葉があります。「ストレス耐性」や「デリケート」といった表現もありますよね。正確に言えば、ストレスを感じやすい人と鈍感な人が存在するのではないかと思うのです。

ストレスを感じやすい考え方があり、そうした考え方のクセは、どの人にも存在します。同じストレッサー(ストレス要因になりうる出来事)でも考え方によっては、ストレスが減ることも、倍増することもあります。


デビッド・D・バーンズの10種類の認知の歪み

精神科医アーロン・ベックの弟子のデビッド・D・バーンズによる認知の歪み(考え方のクセ)は有名ですよね。

ストレスを感じやすいクセは、大きく分けて10種類といわれています。
チェックシートを照らし合わせてながら、下記に記したものを確認してみましょう。

  1. 白黒思考(0か100か)
  2. 過度の一般化(毎回こうなる)
  3. 心のフィルター
  4. マイナス化思考
  5. 結論の飛躍(先読み、深読み)
  6. 拡大解釈・過小評価
  7. 感情的決めつけ
  8. すべき思考
  9. レッテル貼り
  10. 自己関連付け

合理的に考えることは難しいこと

例えば、友人の1人に笑われて腹が立ったあなたは、激しく相手を問い詰めたとします。その相手がどんなに自分のことで笑ったのではないと弁解しても許すことができない。そんな経験はありませんか?周囲の人は、自分のことを褒めてくれているのに、自分は馬鹿にされているのではないかという思いが消えないことはありませんか?

自分自身は、「とても冷静で合理的である」と自分のことを思っていても、実は理性的でない場面はあるかもしれません。

思い込んでいる時、思い詰めている時、目の前の事実を冷静に検証することは容易ではありません。


ストレスと向き合うために

人間らしく、社会生活していく上で、ストレスは避けようがありません。ただ、考え方の工夫1つで、ストレスのかかるような出来事は同じでも、感じるストレスの量は変化させることができます。

あなたは、今ストレスに敏感になっていませんか?ひと呼吸おいて、見つめ直してみましょう。自分1人で振り返るのが難しい時は、日記などに書き留めてみて後日に振り返るなど行うと合理的に考えることがしやすくなります。

また、1人で考えるのに限界を感じた時は、自分以外の誰かに相談してみましょう。たとえ、相談相手から素敵な助言を得られなくても、自分の思いや出来事を言葉にして伝えることで、自分の思いを客観的に見直すことがしやすくなります。

ストレスに敏感になるのは、人間の進化の過程で必要なスキルです。ストレスに全く鈍感だと安全に暮らしていくことは難しいですよね。

ただ、ストレスに敏感になりすぎて疲れてしまった進化系のあなた、ぜひ「合理的に」「客観的に」「冷静に」振り返ってみましょう。あえて、鈍感になることができれば、暮らしやすくなるかもしれません。



この記事を書いた人

シェアする