気分の波に振り回される

テンションが上がったり、下がったり、自分ってなんだか忙しい奴だなあ、なんて感じることはありませんか?自分も周囲の環境も、どんどん変化していくもの。ずっと安定して、波が全く立たないなんてことは勿論あり得ません。

上がったり、下がったり、変化があるからこそ面白い!のですが、あまりにその波が大きく激しいと、疲弊してしまい、いずれ波に飲み込まれてしまうかもしれません。特に、恐怖や不安を感じてしまうほど気分の波が激しい人は注意が必要です。

気分の波が激しくて、自分はどうなってしまうんだろうと恐怖や不安まで感じる方の中には、もともと沸き起こった気分を意図せずに自分の中で大きくしてしまうクセを持つ人がいます。こうした考え方のクセを持つ人には、カウンセリングがお勧めです。自分以外の誰か(できれば第3者)と一緒に自分の置かれている状況や思いを冷静になって整理する時間を持つことで、考え方のクセに気付いて改めるきっかけになります。

ただ、気分の波が激しい方の中には、双極性障害などの気分障害を抱える人もいます。気分障害は、脳の病気です。考え方のクセで説明できるものではありませんし、カウンセリングだけで解消することは難しいでしょう。医療機関の受診や服薬を医師の指導に従って、定期的かつ辛抱強く続けることが最短で最適な解決方法になります。気分の波に振り回され、不眠や食欲低下など身体の異常が出ている場合は、躊躇わず医療機関の受診をお勧めします。

気分の波は自分でコントロールできる?

「感情のコントロール」という言葉を聞いたことはありませんか?また、接客業など自分の気持ちを隠して専念しなければいけない仕事を「感情労働」なんて呼んだりしますよね。

ですが、感情のコントロール=自分の感情を抑え込む(隠す)ことでは、ありません。「つらい」「悲しい」「しんどい」といったマイナスな気持ちを隠そうとするあまり、無理やりポジティブな気持ちになろうとすることはお勧めできません。アンガーマネジメントの考え方でも言われることですが、「怒り」を消してしまう、なかったことにするのではなく、いたずらに自分の気持ち(気分)を盛り上げないようにすることが大切です。

マイナスな気持ちも受け止めるけれど、必要以上に盛り上げない、あるいは盛り下げないように工夫すること、冷静に自分の状態を把握することをコントロールと呼びます。自分の気分は紛れもなく自分のものですが、「頭で分かっていても心が受け入れない」という言葉にあるように、理想の形になることは難しいものです。あるがままの状態をフラットに受け止めることを目指しましょう。

まずは、冷静に振り返る

昨日の自分を正確に詳細に振り返ることができますか?「自分のことは自分が一番分かっている」とは、限りません。仕事で大きなミスをした、好きな先輩から呑みに誘われた、など自分の気持ちが大きく揺さぶられる出来事があると、その日にあった他の細かなことは忘れてしまいがちです。かえって、特別何もない一日があったとして、その日のことを細かく覚えておくことも難しいですよね。

あれ?気分の波に振り回されてると感じているのに、いつ上がって、いつ下がっているんだろう?そもそも、自分の気分はどんな波の形をしているんだろう?後から振り返るには、訓練が必要です。

日々記録すること、記録を読み返すこと

「今」を冷静に分析することは難しいものです。「過去」を振り返るわけですが、自分の記憶だけではいけません。同じ項目を同じ形式で記録していき、1週間、1か月、年単位と見返していくことが、より有益です。

メンタルバランスの管理を目的にするだけでなく、生きている証を大切に残していこうという「ライフログ」の考え方もよく聞きます。

何でも詳細に書き込む、書きたいことを書き留めるというのも、読み返す楽しみがあって良いのですが、体調やメンタルバランスの管理を目的に記録する時には、必要項目を淡々と書き残すことをお勧めします。例えば、下記のような項目を記録していくと、数値としてデータが残るのでいいかもしれません。

  • 就寝時間(寝た時間)
  • 起床時間(起きた時間)
  • HP(ヒットポイント:体力を数値化したもの)
  • MP(マジックポイント:精神力を数値化したもの)
  • トピックス(普段とは違う予定など:デートや重要会議など)
参考:生活記録票(就労移行支援事業所マイパレット)

携帯アプリで「管理」「こころ」「生活記録」など検索してみると、たくさんのアプリが出ています。使いやすいと思えるアプリを活用するのがいいかもしれません。アプリを活用する時には、データをExcelに書き出す、印刷する機能がついているもの、入力項目が少なくシンプルなものが続きやすいです。

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記録は、続ければ続けれるほど財産になり、有益なデータになります。有益なデータがあれば、コントロール不全に陥って気分の波に振り回されることも減るはずです。医療機関にかかっている方であれば、正確で大量の情報を主治医に提出できれば、より効果的な治療が見込めます。また、同居家族のある方であれば、一緒に気分の波に振り回されて追い詰められてしまう前に、お互いに冷静になることができる手がかりになるかもしれません。



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