第13号(2022年8月12日号)
【聞いたことがありますか?高次脳機能障害】
「高次脳機能障害」という名前を聞いたことがありますか?
交通事故や頭部のケガ、脳卒中などに見舞われた後に変化や違和感を感じて困っている方、心当たりはありますか。見えない、分かりにくい障害とも呼ばれます。
高次脳機能障害とは、脳血管障害や頭部損傷などの原因により脳が損傷を受け、言語や記憶などの機能に障害が起こり、日常生活にさまざまな困難が生じるものです。この障害は外見上わかりにくいため、まわりの方々に理解されにくく、ご本人やご家族の負担が大きなものになっています
(リーフレット「外見上分かりにくい高次脳機能障害」
和歌山県子ども・女性・障害者相談センターより引用)
言葉がすぐに出ない(話し方=言語障害)、口頭で伝えられた指示をすぐに忘れてしまう(記憶=記憶障害)、メモを書くと右側が見えずに左側に偏ってしまう(右半側空間無視)、料理の段取りが分からなくなった(遂行機能障害)、業務に集中できない(注意障害)など、多種多様な症状が現れます。
確立した治療法はまだありません。社会復帰を目指してリハビリテーションを行うことが中心です。
困難が生じている部分を直接訓練(例・記憶を訓練する脳トレ)するだけでなく、代わりの能力を活かす訓練(例・忘れても思い出せるようにメモを書く習慣作り)も行います。トレーニングばかりでなく、環境作りも重要な視点になります。
本人だけでは気付きにくく、周囲の気付きが大切です。リハビリテーションに早くつなげる必要があります。知って、相談してください。
- 医学的リハビリテーション
- 病院を中心に行う
理学療法(PT)、言語療法(ST)、作業療法(OT) - 職業リハビリテーション
- 働くこと自体が治療になる
職業指導(ジョブコーチ等)、職業訓練(就労移行支援等)、求職活動、職業紹介 - 社会リハビリテーション
- 社会生活力を高める
福祉サービス活用、環境の調整、相談(相談支援等) - 教育リハビリテーション
- 必要なことを学ぶ
学校教育、生涯学習、研修会、資格、試験 - 参加支援工学(リハビリテーション工学)
- 工学的な技術の活用
車椅子等福祉機器、義足や装具、動作の解析
【自助具・補助具】
自助具、自分を助ける道具を持っていますか。これまで手作りするイメージが強かったですが、最近は、百円均一でも便利アイテムとして見かけることも増えました。
例えば、ペットボトルのフタが硬くて開けにくい時にサポートしてくれるオープナーなども自助具です。手すりや握りやすいスプーンが代表的です。
身体が動かしにくいことで、スムーズに動作できない時に、ちょっと離れて実験的に考えてみましょう。どんなアイテムがあれば解決するだろうか。発明家になった気持ちで、自分の困りごとに立ち向かう考え方は、身体的な困難以外にも有効です。
【はたらく自分の取扱説明書「就労パスポート」】
厚生労働省では『就労パスポートは、障害のある方が、働く上での自分の特徴やアピールポイント、希望する配慮などについて、支援機関と一緒に整理し、事業主などにわかりやすく伝えるためのツールです』と説明しています。
4ページにわたって、仕事に関する自分のことを書いていきます。勤務日数や職場内の人との会話についての希望まで、ほとんどがチェックシートになっていて、「自分はこれだな」と思うものをチェックします。
自分に合う職場で働きたいと言う思いは誰しもが持つものです。ただ、具体的にどういったところなら働きやすいか説明することは案外難しいことですよね。「具体的に」「言葉にする」ことで、夢は現実に近付きます。チェック項目を見てみるだけでも就職活動のヒントになるはずです。
完成したものは、就職先の企業と共有して活用することができます。検索してみてください。
【暑さに効くライフハック】
- 夕方に打ち水をする
- 首のあたりを保冷剤で冷やす
- エアコン扇風機を同時に使う
- エアコン時はカーテン閉める
- 足を水につける=足水
- 夏野菜(きゅうり等)食べる
編集後記
これは、きかんじょうほうし、わ、わ、わです。はたらく、はたらきたい、ひと、をおうえんする、ためのものです。こうじのう、きのう、しょうがい、しること、が、たすけに、なります。リハビリテーション、ふたたび、てきする、が、ごげん、です。あたらしい、じぶん、あたらしい、せいかつ、てに、いれていこう。